マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

カメラ選びで重要なのは画質ではなくクロス測距点の数




カメラ選びで皆さんが一番に気にされるのは、画質だと思います。その理由は、綺麗な写真が撮りたいという気持ちがあるから。しかし、実は現代のカメラはどれも画質がいいです。厳密に見比べれば確かに差がでてくることもありますが、特別画質が求められる商業写真でもない限り、どれを買っても満足できるレベルです。

 

それよりも、個人的にはもっと気にしてほしい機能があります。それが、カメラが自動でピントを合わせるAF(オートフォーカス)機能です。よく考えてみてください。綺麗な写真を撮る為には、画質云々の前にピントが合っているかどうかという問題があります。

 

つまり、どのカメラを買っても満足できる画質が得られる時代になった今、本当に気にしなければいけないのはカメラのAF性能なのです。では、AF性能を見分けるにはどこを見ればいのか?今回はそのポイントをお伝えします。

 

クロス測距点はいくつあるか?

カメラがピントを合わせる場所は、フレーム内にいくつもあります。下記の画像は、キヤノンの7D MarkⅡというカメラのピントを合わせる場所です。

 

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ピントを合わせる場所の数だけで言うと65点あります。65点というとけっこう多いのですが、実はAF性能を考えた時ピントを合わせる場所がただ多ければいいということではありません。

 

重要なのは、クロス測距点がいくつあるか?ということです。先ほどの画像をご覧頂くと、右側に縦横のオレンジの棒、そして青いバッテンがあります。このオレンジの棒が縦だけ、又は横だけでなく、縦も横もあるクロス測距点になっている場所がいくつあるかがAF性能を見分けるポイントになってきます。

 

今回の画像の場合は、全てがクロス測距点になっているので、このカメラのAF性能は高いと判断できます。ちなみにこのカメラは、キヤノンの中でもランクの高いカメラです。

 

kakaku.com

 

ランクが高いカメラなので65点全てがクロスになっていますが、値段の安いエントリーモデルのカメラの場合だと真ん中だけがクロスで他は縦か横だけになっていることがあります。

 

キヤノンのkiss X7ikiss X7という「 i 」という文字で区別された同系列のカメラがありますが、X7iのカメラの方が少し値段が高いです。しかし、その分全ての測距点がクロスになっています。X7の方は、値段が安く小型軽量な分クロス測距点は中央だけです。

 

もちろん、クロス測距点が中央だけのカメラはダメだと言っているわけではありません。クロス測距点が中央だけのカメラは、より小型軽量で値段を安くというコンセプトのカメラなので、カメラが悪いのではなくユーザーが用途に合わせて使い分け、買い分けができるようにしてくれているんです。

 

最初に、

 

どのカメラを買っても満足できる画質が得られる時代になった今、本当に気にしなければいけないのはカメラのAF性能です

 

とお伝えしましたが、撮影スタイルや被写体によっては中央だけクロス測距点であれば問題ないというケースもあります。とくに、止まっている被写体を撮るなら中央だけクロス測距点で問題ありません。

 

クロス測距点が多い方が良いケースというのは、動く被写体を撮る人ですね。子供やペット、スポーツなど動く被写体を撮る人にとっては、中央以外にもクロス測距点がある方がいいでしょう。

 

AFユニットの世代は?

カメラが自動でピントを合わせるAF機能は、カメラが新しくなるとユニットも新しくなることが多いです。そのユニットの世代を見分けるのは、測距点の数で大体見分けることができます。

 

多くのケースで、ユニットの世代が新しくなればなる程測距点の数も増えていく傾向にあるので、とくに動く被写体を撮影される時はなるべく測距点の数が多いカメラを選べるといいですね。

 

用途に合わせて

以上が、カメラのAF性能を見分けるポイントですが、基本的にはカメラはそれぞれコンセプトが違います。なので、ユーザーの用途に合わせて選択していかなければいけません。

 

カメラだけに限りませんが、この世の中の商品は全て無価値です。価値を見出すのは顧客側で、顧客が変わればその商品の価値も変わるのです。クロス測距点が中央しかないからダメだと決めつける前に、自分自身の用途をなるべく明確にし、どの程度のカメラが必要なのかをしっかり考えてみてくださいね。