マイクロフォーサーズの手引き

E-M1ユーザーのカメラマンがマイクロフォーサーズを中心に書いていきます

【レポート②】E-M1の画質がフルサイズと同等になる理由と、使いやすい操作性。




 先日のレポート①の続きです。

 

E-M1が一世代前のフルサイズ機と同じ画質になる理由

一眼カメラのイメージセンサー光が当たって画像に変わる、フィルムの役割をするセンサー)の大きさはメーカーやカメラによって違います。そして、このイメージセンサーの大きさで画質や背景のボケ量が変わります。一般的には、一眼カメラのイメージセンサーのサイズは3種類で、

 

1. 35mm判(フルサイズ):36 × 24mm

2. APS-Cサイズ:23.5 × 15.6mm

3. マイクロフォーサーズ:17.3 × 13mm

 

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このように分かれています。そして、イメージセンサーが大きい程画質が良い傾向にあり、背景のボケ量は大きいです。これは、写真を趣味にしている人なら良く知っている話ではあります。

 

そして、オリンパスのミラーレス一眼は3のマイクロフォーサーズという規格を採用しています。つまり、3種類の中で一番画質が悪くなりやすい傾向があります。しかし、実際にISO5000で撮り比べてみると大きな差がなかったりします。

 

 

こちらの記事でもご紹介していますが、マイクロフォーサーズのE-M1とフルサイズの5D MarkⅡのISO5000の写真を比較してみました。その画像が下記ですが、見比べてみてください。

 

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よーく見たらどちらがフルサイズか分かるかもしれませんが、大きな差がないのは僕も最初は驚きました。もちろん、5D MarkⅡは古い機種ではありますが、イメージセンサーの性能を比較しているDxomarkでは約1段程の差をつけて5D MarkⅡの方が良い結果になっています。

 

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出典:Olympus OM-D E-M1 vs Canon EOS 5D Mark II

 

ですが、実際に撮ってみると1段程の差はありません。その上、E-M1は手ぶれ補正が強力なので、5Dを使っていた頃よりもISO感度を下げることができるケースが多々あり、環境によっては5Dよりも画質が良い場合もあります。

 

さらに、限定的な条件を考えてみるとマイクロフォーサーズと一世代前のフルサイズの画質が同等以上になるんです。その限定的な条件とは小型軽量です。5DMarkⅡは810g。レンズはなるべく軽量化を考えてEF24-105mmLを使っていましたが、それでもこのレンズは670gあり、合計で1480gとなります。

 

しかし、オリンパスのE-M1は約500g、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROは約380gと、合計約880gという大幅な小型軽量化になり、レンズが1段明るいのでISO感度で1段有利になります。すると、同じシチュエーションで撮影してもE-M1の方が感度を少し落とすことができます。 他のフルサイズやAPS-Cで、880gを達成させようとするとどうしてもレンズが暗くなるので、小型軽量という条件ならオリンパスが圧倒的に有利になります。

 

実際にE-M1を使ってみると、僕にとってはかなり軽量化できる上に画質も感覚的にあまり変わらないという嬉しい結果になりました。

 

もっと最新の機種と比べると差がはっきりと分かるようになると思いますが、その性能が本当に必要な人は世間一般的な認識よりももっと少ないはずです。例えば、常にISO4000以上で撮影し、時にはISO6400を超える。しかも高感度で撮影した写真の暗部をRAW現像時に明るくしなければいけない。そういう過酷な環境で常に撮影するような人は、最新のフルサイズがいいかと思います。ですが、通常の撮影をする人にとっては、最近のAPS-Cやマイクロフォーサーズなら必要十分ではないでしょうか。

 

また、カメラ単体で見た場合はフルサイズの方が優位性がありますが、実際の撮影環境ではその優位性は薄れることが多いです。

 

 

こちらの記事でも詳しく解説していますが、フルサイズとマイクロフォーサーズの被写界深度の差は2段あるので、パンフォーカスにする時も背景をボカす時も絞りを2段開けられます。つまり、ISO感度も2段落とせることになるので、フルサイズの優位性は相殺されることが多いです。その上、手振れ補正能力はマイクロフォーサーズの方が強力なので、マイクロフォーサーズの方が高画質になることも多々あります。

 

もちろん、低感度を多用できる三脚撮影や、被写体の動きを止めるような撮影ではフルサイズの方が優位になることが多いかもしれませんが、用途によっては同等以上に撮れることも多々あります。

 

フラッグシップなだけあってかなり使いやすい操作性

さて、続いてはE-M1の操作性について。

 

※こちらの記事で僕が抜群に使いやすいと感じるE-M1のカスタマイズ方法を紹介しています。

 

E-M1の操作性は少し独特ですが、自分の好きな機能を割り振れるボタンが6つあります。シャッターボタンの近くに2つ(カメラ正面画像の3と4)。前に2つ(カメラ正面画像の9と10)。後ろに2つ(カメラ背面画像の9と12)ですね。撮影する被写体やスタイルによって優先させる機能が変わってくるので、自分だけのカスタマイズができるのは非常にありがたいです。とくに、上下左右のボタンにAFエリアの選択を割り振った状態で、カスタマイズできるボタンが6つあるというのは非常に使いやすいです。

 

f:id:photographerti:オリンパスE-M1の操作性

f:id:photographerti:オリンパスE-M1のカスタマイズ性

※引用元:製品外観 E-M1 | OM-D | オリンパス

 

ちなみに、カメラの前面のボタン2つがまた絶妙な位置にあって、グリップを握った右手の中指と薬指を伸ばせば丁度届く場所にあるのですごく使いやすいです。僕はここにマイセット機能を割り当てて、すぐに動体撮影ができるようにしています。

 

そして突筆すべきなのがレバーです(カメラ背面画像の10)。カメラを握った親指を少し伸ばすところにあるレバーを上下に操作することで、瞬時に登録しているAFモードを変えることができます。他にも、レバーを変えると2つのダイアル機能がISO感度とホワイトバランスに切り替わりるように設定することも可能です。

 

マニュアル撮影時に絞りとシャッター速度を大体決めて、レバーを2にしておけばダイアルを回すだけで1アクションでISO感度が変えられます。つまり、露出補正をダイレクトに行えます。レバーの切り替えも。親指で瞬時に行えるので使いやすいですね。

 

このように、非常に使いやいと言うよりもカスタマイズの自由度が高いのがE-M1の特徴です。先ほどもお伝えしたように、撮影する被写体やスタイルによって優先する機能が違います。自分に合った機能を割り振れることで、自分独自の操作性を実現できるのです。

 

次回はレポートの最後ということで、電子ファインダーが苦手だった僕が電子ファインダーに慣れることができたあるポイントをお伝えしたいと思います。

 

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