EOS RとZ7を見て仕事の撮影はマイクロフォーサーズがベストと再確認した話
- 100%表示とは気づかないレンズの描写性の良さを軽量で実現
- ガイドナンバーが丁度良いスマホサイズのストロボ
- フォトショップを使いこなせれば画質は更に良くなる
- イメージセンサーのブレイクスルーがきたら鬼に金棒
ニコンからはZ7・Z6が。キヤノンからはEOS Rが発表されカメラ業界が盛り上がっています。それぞれ新しいマウントになり、新しいレンズが登場。いよいよ、カメラ業界の2大メーカーがミラーレス一眼市場に本格参入?ということで、今後の業界の展開にワクワクしてきました。それに伴い、とりあえずキヤノンとニコンの感想をそれぞれ記事にしましたが、
改めて、キヤノンとニコンのフルサイズミラーレス一眼を見てマイクロフォーサーズのバランスの良さを実感しました。と言っても僕個人の話ではありますが、なぜマイクロフォーサーズのバランスが良いのか?僕の用途を含めご紹介していきます。
100%表示とは気づかないレンズの描写性の良さを軽量で実現

普段、仕事の撮影ではオリンパスのPROレンズを使っています。主に使っているのは
このレンズで仕事の7割程を撮影しているのですが、これらのレンズがよく写ります。とくに驚くのは12-100mm PRO。人物や料理など、このレンズで撮るものが多いのですが広角でも望遠でも欠点が見当たらない程良いレンズです。

以前は5DmarkⅡを使っていて、24-105mm Lや100mmマクロなどを中心に使っていたんですが、遜色ないどころか12-100mmの方が良く見えます。ただ、光学設計の世代を比べれば当たり前なので、先日発表があったEOS R + RF 24-105mm Lのサンプルと比較してみましたが、それでも遜色ないレベルだったのには驚きました(RF 24-105のサンプルをE-M1と同じ画素数に合わせて100%表示で比較。但し、条件が全然違うのであくまで主観での感覚です)。
これはローパスフィルターレスのおかげというのもあると思います。5D MarkⅡからE-M1に変えた時に、写真の抜けと解像度が一段と良くなったのに驚きましたが、ローパスフィルターがないことでの恩恵はかなり大きいと感じています(規則的な模様のデザインや無地の服などにはモアレが出てしまうというデメリットもあるので、商品撮影ばかりの人はオススメできません)。

もちろん、他社のレンズに対して描写性が特別優れているわけではありません。画素数によるものの、他社のレンズも100%表示にしているのが気づかないレベルのレンズはたくさんありますが、12-100mm PROの最大の特徴は
- 広角側が24mm
- 35mm判換算24-200mmというズーム幅
- 重量が561g
- 防塵防滴
- 最大撮影倍率がハーフマクロ
でありながら100%表示でも耐えられる描写性ということです。しかも、絞り開放であっても周辺の解像度はあまり落ちず実用的です(近接撮影など、条件によっては絞らないと周辺が甘くなるケースもあります)。おそらくフルサイズで24-200mm F5.6みたいなレンズを開発すれば、同じサイズで同じ描写性になると思いますが、現時点ではまだ存在していないと思います。

僕の撮影スタイルとしては、基本的に出張先で撮影機材をセッティングして撮影することがほとんどです。その為、フットワークを軽くする為になるべく機材を軽量化したいという欲があります。その欲に応えてくれるのがマイクロフォーサーズです。
このレンズがあるおかげで標準ズームと望遠ズームを使い分ける必要がなくなり、画質に妥協せず一本で様々な撮影に対応することができるようになりました。超広角レンズが必要ない時は、E-M1に12-100mm PROだけで撮影することができます。これだけ僕の要望を満たしてくれるレンズは他にはありません。
ちなみに、この記事の合間に出てくる写真は、ストロボの写真以外全て100%表示をして中心部だけ切り抜いた写真です。と言っても、ブログの記事で見る限りでは参考にならないかもしれませんが、いろいろな写真を100%表示にして切り抜いてみると改めて描写性の良さを実感しますね。
ガイドナンバーが丁度良いスマホサイズのストロボ

もう1つ、マイクロフォーサーズのバランスの良さはストロボです。僕はオリンパスのFL-600Rでワイヤレスの多灯ライティングで撮影することが多いんですが、FL-600RはスマホサイズでありながらGN50(ISO200)と普段の撮影で十分実用的です。

このストロボのGNとサイズのバランスが丁度いいんです。商品や料理、人物を撮る際でも、発光量を1/2か1/4ぐらいに落として撮影しています。被写界深度を稼ぎたい時はF11〜F13ぐらいでフル発光にして丁度いいぐらい。僕の場合は、モデル撮影のように連続して何百枚も撮ることはないので、このストロボでも十分だったりします。と言っても、通常のポートレートぐらいなら十分実用的です。また、時々光量を稼ぎたい時がありますが、そういう時は2灯を1つにして使います。

そして、僕は普段マンフロットのバックパック MB MP-BP-50BBを使っていますが、このバックパックの中にFL-600Rを5つ入れてます。FL-600Rの重量は255gと軽量なので、5つのストロボをバックにしまうことを考えると重量は大きなポイントです。1つのストロボが100g重くなれば500gの差になるからです。
キヤノンからEOS Rが発表された時に小型のストロボEL-100が発表になりましたが、これは少しGNが足らない上、単三電池2本なので200枚前後の撮影で電池切れになる(FL-600Rは小型ながら単三電池4本なので500枚前後撮影できます)。富士フイルムのストロボもワイヤレスで使えるけど、大きくて重い。ニコンも同様。実際の撮影で実用的なGNでありながら軽量化ができるという点で、FL-600Rはストロボの多灯ライティングにはベストな機材です。ソニーは、ストロボ以前に防塵防滴が不安なので仕事では厳しいです。
ちなみに、普段はマスターに1つ、スレーブに3つ、予備や光量確保でもう1つという使い方です。更に光量が欲しい時はE-M1に付属するストロボFL-LM2をマスターにして撮影します。付属のストロボはGN10ですが、マスターで使う分には十分の光量です。なにより、普通にマスターとして機能するのがありがたいですね。
フォトショップを使いこなせれば画質は更に良くなる

12-100mm PROを筆頭に、マイクロフォーサーズのレンズはよく写ります。さらに、ストロボのGNとサイズのバランスの良さが加わり、僕の仕事ではマイクロフォーサーズがベストな機材となっています。
但し、マイクロフォーサーズは高感度よりも低感度が弱点です。実際の撮影では、高感度は被写界深度を合わせて撮影した場合は差が出なかったり、シャッター速度を遅くできるシーンでは手ぶれ補正の効果もあり差が縮まったりします(参照ページはこちら)。ですが、低感度でも若干ノイズが乗ってくるのがマイクロフォーサーズのウィークポイント。もちろん、フルサイズに比べてという話でありノイズリダクションなどをかけなくても十分実用的ではありますが、フォトショップのRAW現像を使いこなせるようになっているとマイクロフォーサーズの幅は広がります。
画像のノイズを上手く消すフォトショップのRAW現像・レタッチテクニック
詳しいやり方はこちらの記事で解説していますが、RAW現像時と現像後に一手間加えるだけでマイクロフォーサーズの画質は一段と向上し、弱点をカバーすることができます。
イメージセンサーのブレイクスルーがきたら鬼に金棒

実際の撮影では、E-M1の画質は十分すぎます。まだまだ余裕があるぐらいなので、今の時代は特殊な撮影でない限りどんなカメラでも問題がない画質になっています。とは言え、E-M1 MarkⅡでAPS-C並になり、次はそれを超えてくるかな?と考えると少しワクワクしますね。さらにイメージセンサーのポテンシャルが上がれば、マイクロフォーサーズは鬼に金棒状態になると思うので、マイクロフォーサーズ開発陣には期待しています。
キヤノン EOS Rのマーケティングが上手すぎる話
昨日、キヤノンのフルサイズミラーレス一眼 EOS Rが発表されました。
キヤノンが「EOS Rシステム」を正式発表 - デジカメinfo
個人的にはEFマウントのミラーレス一眼が出てくるのではないかと思っていましたが、キヤノンも新マウントで登場しましたね。そして、今回のRFマウントのミラーレス一眼で良い意味でいろいろ驚かされました。ということで、スペックや詳しい内容は北村氏の記事を参考にしながら、今回はキヤノンの発表で僕が感じたことを書いてみたいと思います。
便利な機能を設けたアダプター
キヤノンが新マウントを採用するということは、既存のEFレンズはアダプターを使うことで利用しなければいけません。ここで、普通のアダプターしか用意しなかった場合、今後はRFレンズがメインになり既存のEFレンズは旧式になるのかなという印象を僅かながらにも与えることになってしまいます。
ですが、キヤノンはアダプターをさらに3種類用意していました(普通のアダプター1つと、機能を持たせたアダプター3つの合計4つ)。
コントロールリングマウントアダプター EF-EOS R

出典:キヤノン:コントロールリングマウントアダプター EF-EOS R|概要
3つのアダプターのうち1つは、コントロールリングを設けているもの。このコントロールリングには撮影中によく使う機能を割り当てることができます。具体的にどの項目が割り当てられるのかが探しても見つからなかったのですが、カスタマイズできる一般的な機能は可能なはずです。

出典:キヤノン:EOS Rシステムブランドサイト|EOS R 特長紹介
このコントロールリングは新しいRFレンズにもついているものですが(ニコンのレンズはフォーカスリングをコントロールリングとして使えますが、キヤノンはフォーカスリング・ズームリングとは別にコントロールリングが独立しています)、アダプターを使って既存のEFレンズを使う時にも同じ利便性を得ることができます。このコントロールリングがあることで操作性はさらに良くなり、EFレンズユーザーにとっても付加価値となります。
マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター A付

出典:キヤノン:ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター A付|概要
2つ目のアダプターは可変式NDフィルターが使えるもの。通常のレンズは、レンズ先端にフィルターをつけることでフィルターの効果を得ることができますが、フィッシュアイや超広角レンズでは先端が出目金のようになっていてフィルターがつけられないケースがあります。 もし出目金レンズでフィルターの効果を得たい場合は、レンズ先端に取り付ける大きなフィルターが必要になります。
ですが、このアダプターを使うことで出目金の超広角レンズを使っても手軽にフィルターの効果を得ることができるようになります。少しニッチな市場かもしれませんが、風景撮影をする人にとってはとくに貴重な存在になり、これだけでも既存のEFレンズの存在価値が生まれます。超広角以外でも、いちいちフィルター径に合わせて何枚も買う必要が無くなる為、フィルターを多様する人にとっては魅力的なシステムになりました。
ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 円偏光フィルター A付

出典:キヤノン:ドロップインフィルター マウントアダプター EF-EOS R ドロップイン 円偏光フィルター A付|概要
3つ目のアダプターは円偏光フィルターがつ使えるものです。先ほどのNDフィルターとは違い、水面やガラスなどの光の反射を抑える効果がある為、これも風景撮影などではよく使われます。NDフィルターと同様、このアダプターがあるだけで出目金レンズで気軽に偏光フィルターを使うことができるようになります。
コントロールリングとマルチファンクションバーによる新たな操作性

出典:キヤノン:EOS Rシステムブランドサイト|EOS R 特長紹介
通常ならAFポイントを移動できるスティックが採用される、グリップを握った時の親指辺りに見慣れないマルチファンクションバーが設けられています。このファンクションバーもカスタマイズできるようで、左右にスライドさせて設定を変えたり、左右のボタンをおすことで割り当てた機能を呼び出すことができ、ワンハンドで
- ISO
- ホワイトバランス
- ピント確認
- 動画撮影
- フレキシブルAE
- AF
- 画像送り
などを調整することができるようです(スペシャルサイトでは「など」という表現がなかった為、これらの機能に限定されるかもしれません)。
コントロールリングに加え、ファンクションバーによって通常の撮影ではかなり快適な操作ができるのではないかと思います。個人的には、今あるカメラの中でも一番使いやすい仕様になっているんじゃないかと思ってしまいますね。
ちなみに、AFエリアの移動はファインダーを覗きながらモニター上で指をスライドさせることで変えられます。絶対位置と相対位置の設定があり、タッチ領域は9種類あるので、AFエリアの選択も使い勝手は良さそうです。
絶妙な値段とレンズのラインナップ
ニコンの時にも騒がれたシングルスロット。キヤノンのEOS Rもシングルスロットですが、今回のEOS Rは値段がキヤノンオンラインショップで約23万。すぐに実売20万をすぐに切ってきそうな値段です。
一方、ニコンZ7は実売約39万。Z6で約24万です。Z6の値段ならまだ分かるものの、Z7の値段でシングルスロットはやはり疑問を感じます。ですが、実売20万をすぐに切ってくるならユーザーも納得です。
カメラとして主要な機能であるAFや操作性の使い勝手は手を抜かず、他で適度にコストダウンし手頃な値段にしてまずは多くの人が気軽に導入・実際に体感してもらうことを優先したのではないかと思います。
ユーザー心理として、新しいシステムのカメラにいきなり大金をつぎ込むよりも、まずはミドルクラスで手頃なカメラで試したいという方も多いはずです。そういう意味でも、なるべく値段を下げたキヤノンはやはり上手いなと感じますね。
また、レンズのラインナップに関しては、今回は良い意味で驚いた人が多いと思います。24-105mmという定番のレンズを押さえ、28-70mm F2という今までに存在しなかったズームレンズと50mm F1.2という標準レンズの王様を発表し、35mm F1.8 マクロ ISという手軽に準広角ハーフマクロが楽しめる定価75,000円のレンズを発表しました。現実的なレンズと、あっと驚くレンズを同時に発表する辺りがキヤノンらしいです。
また、アダプターにコントロールリングやフィルターを組み込むことで、既存のEFレンズユーザーも新しい価値として気持ちよく使うことができます。ニコンは、どうしても新しいミラーレス一眼のレンズが揃うまでの繋ぎというイメージでしたが、キヤノンの発表ではそれらが一切ありませんでした。
ニコンも含め、他のメーカーでも「止めない」と言っていたシステムが終わりを告げることは多々あるので、ニコンのFマウントもいずれそうなるのかなというイメージがありましたが、キヤノンは既存のEFレンズもRFレンズも両輪でいくというのが伝わってきます。
もちろん、将来的にキヤノンも新RFマウントのレンズが主流になる時代がやってくるかもしれませんが、現時点ではニコンよりもキヤノンの方が一眼レフとミラーレス一眼の両輪という良いイメージがしっかりとあります。それぞれの可能性を最大限引き出すというキヤノンのメッセージがマウントアダプターに現れていると感じました。
6D系・5D系ユーザー共に魅力的なカメラに
カメラとしての機能はすでに十分だと思うので、6D系ユーザーの方も5D系ユーザーの方も予算が許せば即導入してもいいのではないかと思います。とくに、ポートレート撮影や静物中心の撮影の方は魅力的なはずです。僕が一眼レフからミラーレスに変えた理由の1つである、レンズによる前ピン後ピンに悩まされることも無くなります。
ただ、
- 電子ファインダーに馴染めない
- 瞳AFの性能に期待したい
- 撮影枚数が少ないのは嫌だ(350〜370枚程度)
- 動体撮影中心
という方はレビューが出てくるのを待ち実機に触れて試してみてからの方がいいでしょう。とくに瞳AFはS-AFに限定されるようなので、この辺りはソニーの方が優秀です。
今回、個人的にはニコンとは対照的な印象を受けましたが、やはりキヤノンのマーケティングの上手さが際立つ発表となりましたね。あとは、実際にレビューが出揃ってどのような評価になるかです。また、ハイエンドのRFマウントのカメラがどのような仕様でくるかが気になりますね。ボディ内手ぶれ補正を搭載しダブルスロット。連写もAF・AE追従で10コマ以上になってくるんじゃないかと思いますが、どんなカメラが登場するのか今から楽しみです。
《画角を選択する》それだけで写真が上達する3つの理由
- ①最初に考える画角で写真構成の7割が決まる
- ②撮影の簡略化:主役と背景が決まればあとはその他の要素を決めていけばいい
- ③基準となる思考過程を持つことで、自分の思考回路のキャパを目一杯《被写体に集中》させることができる
写真を撮影する時、重要なポイントはいくつかあります。
- 光
- 背景
- 構図
- 画角
- ボケ量
- 配色
- 被写体の動感
- シャターチャンス
これらは優劣をつけるものではなく、全ての要素が写真の構成に関わる大事なポイントです。その中でも、写真上達に悩む初心者の方に一番最初に考えてほしいのが画角です。なぜなら、画角を決めることで写真構成の7割が決まり、且つ撮影手順を簡略化することで理解しやすくでき、上達の段階を順調に踏むことができるようになるからです。
①最初に考える画角で写真構成の7割が決まる

こちらは、被写体を同じ大きさにして画角を変えて撮影したもの。1つは標準の50mm。もう1つは超広角の15mm。被写体の大きなは同じでも、背景の写り方がまるで違います。これが画角による背景の写り方の違いです(詳しくは「この記事だけで写真上達の本質と基礎が分かる!を目指してみた」で解説しているのでご覧下さい)。
写真を構成する要素は冒頭にも挙げましたが、その中でも画角の選択というのは一番最初に考える要素です。なぜなら、この画角の選択で背景の写る範囲がコントロールできるからです。「最初に考える画角で写真構成の7割が決まる」と見出しで書きましたが、正直なところ7割は言い過ぎかもしれません。ただ、それぐらい画角の選択が撮影におけるファーストステップであり、重要な要素となるということです。
上級者の方の中にはこの考え方に反論をされる方もいらっしゃるかと思いますが、それは上級者の方々が無意識でこのファーストステップを常に行なっているぐらいのスキルを持ち合わせている証拠です。上級者はレンズの選択に悩むことがほとんどありません。それは、レンズによる画角の違いが体に染み付いているので、
このシーンでこういう写真を撮る時はこのレンズを使えばいい
というのがいちいち撮らなくても分かるからです。そして、基礎の部分を当たり前にこなしているからこそ、他の要素に意識を向けられ、写真の完成度をさらに高めることができるようになります。
上級者の方にとっては、わざわざ言う必要がないぐらい大前提として認識されている要素ですが、それこそが初心者にとって上達する為の要素になってくるんです。
ちなみに、ズームレンズはいくつもの画角が選択できるレンズ。つまり、1本なのに数本のレンズの役割をするレンズという理解ができるはずです。そうすると、ズームを使う場合は1回1回焦点距離を合わせるようになってきます。自分が立っている場所でズームを調整するのではなく、表現に合わせて焦点距離を選択し被写体との距離は自分の足で調整する。そんな撮影を心がけてみて下さい。

②撮影の簡略化:主役と背景が決まればあとはその他の要素を決めていけばいい
背景が決まれば、あとはその他の要素である
- 光
- 構図
- ボケ量
- 被写体の動感
- シャッターチャンス
- 配色
などを考えていきます。主役と背景が決まれば、あとはどういった光で撮るのか?午前がいいのか午後がいいのか?曇りがいいのか晴れがいいのか?
もちろん、光が良い環境を見つけ、その中で最適な背景を探して撮るケースもあります。どちらの好条件を優先するかはケースバイケースですが、基本的な思考過程を自分中の軸としてもっておくと臨機応変に対応ができますね。
光と背景が大方決まれば絞り値で背景のボケ量をコントロールする
光も良し、背景も良しとなれば、次はボケ量です。カメラとレンズを決めたら、背景のボケ量は絞り値の選択でコントロールできます。この時、そのレンズで一番ボケる絞り値を選択してもまだボケ量が足りないと思うなら、カメラのフォーマットを
- マイクロフォーサーズならAPS-Cに
- APS-Cならフルサイズに
する必要があります。同じ画角・絞り値であっても、レンズの焦点距離が長ければ長い程背景がボケるからです。
例えば、標準レンズの画角は対角線で約45度です。この対角線45度は
- マイクロフォーサーズなら25mm
- APS-Cなら約35mm
- フルサイズなら50mm
となります。写真の世界でフルサイズが支持されてきたのは画質の良さに加え背景がボケやすいからです。ただ、最近は各社のシステムのクオリティが良くなっているので、単純にフルサイズを選択するのではなく自分の用途に合わせてカメラを選ぶという時代になってきています。例えば、僕はフルサイズではなくマイクロフォーサーズのカメラを使っていますが、その理由は
- 機材をコンパクトにできる
- 強力な手ぶれ補正でISO感度を上げなくて良いシーンが多い
- 仕事柄あまりボカさない撮影が多いのでボケにくいマイクロフォーサーズの特徴は自分の用途にはマッチしている
などが挙げられます。フルサイズのF1.4のボケ量はマイクロフォーサーズでは不可能なので、人物のポートレートなどでフルサイズのF1.4のボケ量を得たいならフルサイズ以外の選択肢はありませんが、そうでなければ選択肢は広がります。
光、背景、ボケ量が決まれば、あとはシャッターチャンス
レンズの選択、カメラの設定が決まれば、あとはシャッターチャンスです。被写体の一番良い瞬間を狙って待ち、ベストなタイミングでシャッターを切ります。風景なら理想とするタイミングになるまで、時間を待つのか季節を待つのかという選択になりますが、被写体が人物なら撮影者がコミュニケーションをとり、理想の表情や雰囲気を引き出す必要もあるでしょう。
今の時代、ブログやSNSでいろんな写真を見ることができますが、良い写真ほど構成をしっかり組み立ててシャッターチャンスを辛抱強く待って撮られたものが多いです。

③基準となる思考過程を持つことで、自分の思考回路のキャパを目一杯《被写体に集中》させることができる
ここまで、まずは画角を理解し、画角が理解・選択できたら他の要素を決めていくという一連の流れを簡潔に書きましたが、こういった良い意味での流れ作業を繰り返し身につけることで無意識で選択できるようになります。これは、冒頭でもお伝えした上級者にとっての大前提です。
上級者の方は、こういった一連の流れをほぼ無意識で行えるよう繰り返し体に刷り込んでいます。その為、自分の意識を被写体に集中することができるので、自然と良い写真を量産できる撮影スタイルが確率されています。
仕事でも同じですが、慣れないことをやる時は周りに目がいかないものです。ですが、何年も経験を積んで慣れてくると、新人の頃には時間がかかっていた仕事もサクッと終われるようになり、その仕事をしながらも同時進行で別の仕事をしたり周りを見れたりするようになります。
人は、慣れないことをする場合意識がもっていかれます。撮影も同じで、慣れてない設定や設定の選択に迷いがある場合は、そこに意識が集中して被写体どころではなくなってしまいます。画角を決める意識を持ち、撮影の手順を自分の中で簡略化し、その流れに慣れることができれば、自ずと意識や被写体に向きます。この善循環に取り組むことさえできれば、ほとんどの人が自然と上達していきます(ここで定義する上達とは、自分が撮りたい写真が撮れるという意味です)。
もちろん、この考え方だけが正解ということではありません。この記事で書いたことを実践してもらい、その過程で自分の哲学が見えてきたなら自分なりにアレンジすればいいのです。まずは、写真を構成する要素は何なのか?その要素をどの順番で組み立てていけばいいのか?それを自分なりに理解し、慣れることが大事ということですね。
ニコンのZ7・Z6は《一眼レフとミラーレス一眼のノウハウは違う》ことを物語っている?
- 一眼レフとミラーレス一眼では省電力設計にも違いがある?
- ボディのサイズありきで焦って設計し、想像以上に放熱が上手くいかずダブルスロットにできなかった?
- 瞳AFもやはりミラーレス一眼のノウハウの賜物?
- 最後に

先日、ニコンから新しい規格のミラーレス一眼である Z7とZ 6 が発表になりました。開発発表から多くのカメラユーザーが注目していたニコンの新しいカメラが登場しましたが、全体的には少し否定的な感想が多い印象です。その理由は主に6つ。
- ダブルスロットではない
- バッテリーの保ちが悪い
- マウント仕様を公開しない=サードパーティの参入が厳しい=レンズの選択肢が純正レンズしかない為、ニコンのレンズ資産を持っていない人には導入ハードルが高い
- 瞳AFがない
- レンズの防塵防滴が【配慮】という表現
- ライムラプスを売りにしているのにバッテリーがUSB給電できない
- 全体的に驚きのないスペック
参照:ソニー使いの私が見た、ニコンZ7 / Z6とキヤノンに期待したいこと | studio9 ● Nikon Z7が登場した今、まだNikon D850は買いのカメラか?両機をじっくり比較する | とるなら~写真道楽道中記~ ● 7とZ 6。ニコン使いのネイチャーフォトグラファーが感じた良いところと悪いところ | 登山と写真で仕事をしている人。
もちろん全体的な使い勝手や操作性、一眼レフ用レンズもストレスなく使えるAF性能や、ファインダーやD850譲りの堅牢性と防塵防滴性能と良いところももちろんあるんですが、驚きの少ないスペックで値段もZ7が約40万というのがニコンユーザーをも頭を抱える要因となっているようです。
それもこれも、先発のソニーが高機能であるα9やα7RⅢ、そしてより安価なカメラとしてα7Ⅲを販売しているせいです。ハイエンドモデルはもちろん、より安価なα7Ⅲでもダブルスロットを採用し、全てに瞳AFを搭載。バッテリーも改善し保ちもよくなっています。
ソニーのこれらの製品が世に出る前にニコンのZ7・Z6が出ていれば大きなニュースとなっていたのは間違いありませんが、すでにソニーが似たようなスペックのカメラを出している為にどうしても印象が薄れがちです。実際には、バッテリーの保ちもAF性能も十分実用的で、操作性も良好、見やすいファインダーで良いカメラなのは間違いないと思いますが、このタイミングでは仕方ありません。
一眼レフとミラーレス一眼では省電力設計にも違いがある?
さて、カメラの特徴や良し悪しは他の方のページを参考にするとして、今回の一番の印象はやはりノウハウの差です。といってもここからの内容は全て憶測になってしまうのですが、例えばバッテリー。
Z7のバッテリーはニコンのD850と同じEN-EL15系のバッテリーです。新しくEN-EL15bになりUSB充電できるようになりましたが、D850のEN-EL15aも使えます。系統は一緒で1900mAh。対してソニーのα9などのバッテリーNP-FZ100は2280mAh。
- Z7:1900mAh(7.0V)=ファインダー使用時330コマ
- α9:2280mAh(7.2V)=ファインダー使用時480コマ
この比較をした場合、α9の2280mAhをベースに考えると1900mAhでは400コマの計算になりますが、ニコンの場合は330コマ。電圧の差は7と7.2で約3%ですが、それを考慮しても十分ニコンの方がコマ数が少ないです。もし単純比較できるのであれば、バッテリー容量が同じだったとしてもニコンの方が撮れる枚数が少ないことになります。
D850なら1840コマ撮れる仕様が、ミラーレス一眼になった途端に330枚に減ってしまう。一眼レフとミラーレス一眼だと、省電力のノウハウも違ってくるんだろうなと感じたポイントです。
ちなみに、キヤノンのEOS Rのバッテリーは7.4vで2000mAh。ソニーを基準に考えると2000mAhで420枚ほど撮れる計算になりますが、仕様では370枚。バッテリー性能を見ていると、ソニーは頭1つ分抜きん出ているのかもしれませんね。
ボディのサイズありきで焦って設計し、想像以上に放熱が上手くいかずダブルスロットにできなかった?
プロからも愛用されているニコンなので、ダブルスロットの重要性は分かりきったことだと思います。ダブルスロットを採用するかしないかと考えたら、採用するに決まってます。なのに今回のZ7・Z6でダブルスロットが採用されなかったのは、
採用できなかった
と考える方が納得がいきます。その理由は、ダブルスロットのスペースを確保できなかったから。ではなぜ確保できなかったのか?ここからも憶測の域を出ない考察ですが、ニコンZ7の特徴として動画の性能が挙げられます。
正直なところ動画に関してはサッパリなのですが、動画の性能がアップし情報量が増えることで消費電力が増加し、カメラ内部の温度が上がってしまうのは間違いありません。カメラ内に溜まった熱は放熱させないといけませんが、一般的にボディを大きくすることで放熱は容易となります。
ただ、単純に大きくしすぎると一眼レフと大きさが変わらなくなり本末転倒です。ミラーレス一眼のメリットである小型化とハンドリングの良さを考慮しながら適度に小型化していくわけですが、同時に動画性能を上げると放熱の設計は一朝一夕では通用しなくなります。
昔から動画のノウハウを持っているパナソニックでさえも、動画性能が高評価であるGH5を開発する際にボディの大型化は避けられませんでした(参照:『熱との闘い』を制し、プロフェッショナル動画性能をさらに革新~「LUMIX GH5」)。GH5の場合は、従来の放熱設計のままだと1.35倍のボディサイズになったそうですが、設計を見直してボディサイズの大型化を1.13倍までに抑えました。
ニコンの場合は、今まではそこまで動画に力を入れていたわけではありません。加えて、ミラーレス一眼よりも一眼レフの開発に主軸を置いていた為、放熱ノウハウはパナソニックなどのミラーレス一眼での動画のノウハウがあるメーカーに比べるとどうしても劣ってしまうはずです。
その状況での開発手順です。マイナビニュースの記事を見てみると、
Z7やZ6のボディサイズは、「このぐらいのサイズでないとユーザーに受け入れられないだろう」という判断から決められたそう。まず大まかなサイズありきで、そこに開発陣が必要な機能を詰め込んでいった、という流れで開発が進められたとのことです。
というのが目につきます。まずは光学性能を高めることを0ベースで考えた場合、マウントの内径は55mm、フランジバックを16mmにするのがベストとなり新マウントが誕生。その後、ユーザーを想定しボディサイズを設定。そこに機能を詰め込んだ。
ただ、ニコンが誤算だったのは思った以上に小型のボディに機能を詰め込むのが難しかったということ。これは、ニコンに技術がないというのではなく、時間がなかったのではないかと思います。通常ミドルクラス以上のカメラは2〜3年ぐらいの開発期間が設けられていますが、2017年2月には新規格のミラーレス一眼が登場するような発言をしています。この前後に開発がスタートしていたとしたら約1年半ですが、2017年9月にはハイエンドモデルのD850が登場しています。人員を集中できるようになったのをこの頃と考えると、実質開発期間は1年前後。
ノウハウが他社に劣る上に開発期間も短い状況では、開発期間内にボディサイズの選択肢を増やすことは難しい。だから最初にボディサイズを決めて詰め込もうとしたが、実際には詰め込むのが難しく思った以上にスペースをとられ、ダブルスロットにできなかったのではないでしょうか。
《追記》
ニコンZ7はボディの小型化を優先してシングルカードスロットを選択した - デジカメinfo
こちらの記事で、ニコンがダブルスロットよりも小型化を優先したというコメントがあります。予想は大きく外れてはいないようです。
瞳AFもやはりミラーレス一眼のノウハウの賜物?
最近のミラーレス一眼には、どのメーカーにも顔認識と瞳AFがあります。とくにソニーのα9、α7RⅢ、α7Ⅲの世代の瞳AFはかなり精度が高く、動く人物であってもピントを合わせ続けるぐらいです。
ニコンがフルサイズミラーレス一眼に参入するとなると自然と競合がソニーになるので、瞳AFの搭載がポイントになるのはニコンも分かりきっているはずです。それでも搭載しなかったのは、まだノウハウが少ないからではないでしょうか。又は、厳しい基準を設けることで、まだそこに達していないと判断したのかもしれません。
テスト動画などを見ていると、Z7の顔人認識AFで実際の撮影で困ることはあまりないと思いますが、ソニーの瞳AFと比べてどの程度の性能差になるのか。詳しいレビューが気になりますね。
最後に
市場がどのような反応を示すのか?
マウント仕様を公開しない点についても最後に触れておきます。ソニーのEマウントは仕様が公開され、サードパーティのメーカーがEマウント用のレンズを多く開発しています。これにより、選択肢が多くなりソニーのカメラが買いやすくなりました。
ですが、Zシリーズのレンズロードマップを見ているとまだまだです。レンズの選択肢がないとボディを買う人が少なくなり、そうなるとフィードバッグが返ってきません。フィードバックがないと来年発売予定?の プロフェッショナルモデルが中途半端に終わらないか...。これが一番最悪なシナリオだと思います(ダブルスロットでない時点でプロには手が出しづらい為、最悪のシナリオの一歩は踏み出しているかもしれません)。
ソニーとは違い、ミラーレス市場がこれだけ成熟した現在ならニコンは短いスパンでシェア拡大を実行しなければいけません。その為には、マウントの仕様を公開して少しでも早くレンズの選択肢を増やしカメラを買いやすくする必要があると思っている人はかなり多いと思うのですが、ニコンの選択がどう転ぶのか気になるところです。
ニコンはアダプターを使うことで既存のFマウントレンズを使ってくれと思っているのかもしれませんが、それならレンズのラインナップが揃うまでもう少し待つというユーザーは多いと思います。一眼レフ特有の前ピン後ピンに悩まされていた層はすでに瞳AFが優秀なソニーや他のミラーレス一眼に移った人も多いですし、今ニコンの一眼レフで満足している人が前ピン後ピンの問題から解放される為にZ7やZ6を選択するということは少ないと思います。
アダプターをつけても一眼レフと同等の性能で撮れるということなので、今のニコンユーザーがカメラボディをミラーレス化し、順次レンズを専用のものに変えるという選択肢も十分ありかと思いますが、ダブルスロットでないこととバッテリーの保ちが悪いことでそれも見送る人は多いかもしれません。
全体的に驚く性能ではないとは言え、実際に使ってみればその操作性や基本性能の高さは十分分かるはずです。それだけに、
- バッテリーの保ちの悪さ
- ダブルスロットではないこと
- レンズランナップがまだまだなのにマウント仕様を公開しないこと
など、足を引っ張る要素の方が目についてしまい非常に勿体ない発表になってしまいました。
残念なプレゼンはニコンの体質なのか、企業内にも流れる「やってしまった感」がそのまま表に出てきたのか?
最後に一つ気になったことですが、今回のニコンのプレゼンは悲壮感があるというか凄く固いというか、ただ暗記した内容を棒読みしているような感じということでSNSでも騒然となっていました。なぜワクワクするようなプレゼンがされなかったのか?ニコンの企業としての体質的なものなのか、焦って出したけど仕様がイマイチなのをニコン自身もよく理解している現れなのか。カメラとは関係ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、カメラの残念なところが目立つ中、さらに悪い印象を与えかねないとも思います。ニコンとしては来年のカメラが本命なのかもしれませんが、スタートからかなり躓いてしまった印象ですね。
とは言え、本当にカメラとしては良い仕上がりですし、ニコンも相当考えての発表だと思うので、ニコンがZシリーズをどう育てていくのか今後のニコンの動きは要チェックですね。
仕事の撮影の9割を3つのレンズで撮っている話
普段マイクロフォーサーズの機材だけで、人物・商品・料理・住宅などの取材の撮影や広告の撮影していますが、仕事の9割は3本のレンズで撮影しています。ということで、今回は普段使っている3本のレンズの用途や理由をご紹介。
①より広く、さらに背景の情報量をコントロールする為に 7-14mm F2.8 PRO

1本目は超広角レンズの7-14mm F2.8 PRO。僕の場合、取材や広告系の撮影が多く室内の写真や景色の写真を撮ることになります。もちろん、人によっては物や人だけ撮ればいいというケースもあるかもしれませんが、主役になる人がどういうところで働いているのか?その料理がどんなお店で提供されているのか?その商品がどういったシーンで使われているのか?などなど、多くのケースで超広角を活かすシーンがあります。景色を撮る時はもちろん必須ですね。

また、広角になればなるほど背景が広く写り込むので、背景のコントロールをするという意味でも超広角が活きてきます。例えば、下のような2枚の写真ですが、


1枚目が望遠(200mm)、2枚目が広角(24mm)で撮っていますが、ここまで背景の写り方が変わります。そして、超広角域まで背景をコントロールできるようにしておかないと、例えば主役と店内を一緒に撮ることが難しくなります。


上の2枚は同じ場所で撮影したもの。1枚目は35mm判換算14mmで、2枚目は30mmです。アングルが少し違いますが、背景の写り方が大きく変わっているのが分かると思います。普通の広角レンズで主役と店内の雰囲気を写せないことはないですが、超広角があることでその表現の幅は広がります。
超広角はただ広く写す用途と思われることがありますが、それに加えて背景の情報量を多くすることができるレンズでもあります。仕事で撮る場合は、その写真がWEBや紙面で使われるわけですが、どちらにせよ何枚も写真を無制限に使えるわけではありません。
なるべく少ない枚数で多くの情報を伝えないといけないケースも多々あり、そういった場合は主役と背景の情報量の整理でそのお店のウリの商品と店舗内の雰囲気を1枚の写真で伝えることもあります。そういった意味では、仕事で撮る場合は背景の情報量のコントロール幅はなるべく広い方がいいに越したことはありません。
②広角から望遠までの利便性 12-100mm F4 PRO

僕はよく、高倍率ズームの12-100mm F4 PROを仕事で使います。高倍率ズームは仕事で撮るなら必ず持っておきたい一本と考えていますが、その理由は画質やボケ量を闇雲に追いかけてシャッターチャンスを逃すのは本末転倒だからです。
レンズを交換しているヒマもなくシャッターチャンスが一瞬にしてやってきて、一瞬にして過ぎ去っていく撮影は意外と多いです。広告写真系だと予め何を撮るのかがリストアップされ、準備をし、順番に撮っていきます。このようなケースでは最適なレンズに交換をして撮影に挑めますが、取材や記録系の撮影だとそのような撮影ばかりでもありません。
撮影の流れの中で、シャッターチャンスを作る為に一回一回周りの人の動きを止めることができないケースもあります。そういう時は、高倍率ズームでレンズ交換の頻度を大幅に下げ、シャッターチャンスを確実に押さえる方が優先です。
最近の高倍率ズームは、鑑賞距離でなら普通に良くみえるぐらいの画質はあるので十分実用的です。もちろん他の優秀なレンズに比べると画質は若干落ちてしまいますが、画質優先でシャッターチャンスを逃していたら元も子もありません。どんな撮影でも、仕事で撮るならシャッターチャンスを確実に押さえるのは最優先です。(12-100mm PROは、高倍率ズームにも関わらずかなり高画質で撮れるので重宝しています)。
例えば下の2枚。


撮影している僕の立ち位置は同じですが、異なる場所でお祭りが同時進行だった為12-100mmで画角をさっと変えて撮影しています。上の写真を撮って、レンズを交換してから下の写真を撮っていてはシャッターチャンスを逃してしまう為、この時は12-100mmが役にたちました。
- 広角が必要になるのか?
- 標準が必要になるのか?
- 望遠が必要になるのか?
予想があまりつかない、又はレンズ交換の時間があまりない場合は高倍率ズームがメイン機材になりますね。

また、意外に思われるかもしれませんが、仕事で撮る場合マイクロフォーサーズのF4でもボケすぎて困るケースが多いです。なので、12-100mm F4 PROは取材意外にも普通に料理や商品撮影で使うことも多々あります。高倍率ズームなのに単焦点レンズ並に画質が良く隅々まで解像するので、本当に万能なレンズですね。
※以前公開した下記の写真も12-100mmで撮影しました

③単焦点レンズは一番使いすい 25mm F1.2 PRO
僕の場合、超広角ズームと高倍率ズームがあれば仕事の7〜8割ぐらいが撮影できてしまいますが、時々けっこう暗い環境だったり、背景をもう少しボカしたいなという時ももちろんあります(一般的にズームレンズより単焦点レンズの方が背景がボケる)。そんな時は単焦点レンズを使うのですが、単焦点レンズの中でも一番使用頻度が多いのは25mm F1.2 PROです。

単焦点レンズは
- 7.5mm F2(超広角)
- 15mm F1.7(準広角)
- 25mm F1.2(標準)
- 45mm F1.8(中望遠)
と4本持っていますが、僕の場合は室内で単焦点レンズを使いたくなることが多いです。その為、狭い空間で使うなら中望遠よりも標準の方が使いやすいというのもあります。中望遠だと写る範囲が狭いので、狭い空間では後ろに下がれなくて思うような構図で撮れないケースがあるからです。

もちろん、ただ単に室内で使いやすいからという理由だけではありません。標準レンズの使用頻度が多い理由のもう1つの理由は、自然な遠近感と背景描写です。先ほど12-100mmのところで触れたように、レンズは広角になればなるほど背景の写り込みが広くなり、遠近感が強くなります。逆に望遠になればなるほど背景の写り込みは狭くなり、遠近感は無くなっていきます。


この望遠や超広角の写り方の特徴を活かして撮影することもありますが、標準レンズ(上の画像の50mm)は背景の写り込みや遠近感が人の目に近い感じで自然に描写され、狭すぎず広すぎず丁度いい写り方になります。

ただ、悪く言えば写り方が平凡です。その為、初心者の方にとっては扱いづらいレンズに感じるかもしれませんが、少し慣れれば活かせるケースは多くなります。仕事で撮る人が最初に単焦点レンズを買うなら、まずはこの標準単焦点がオススメですね。
ちなみに、僕は4本の単焦点レンズを持っていますが、一番使用頻度の高い25mmを防塵防滴のレンズにし、その他は防塵防滴よりも小型軽量を優先して卵サイズのレンズにしています。

用途を考えてみよう
以上が、僕が普段よく使うレンズとその理由です。ただ、用途が違えばもちろん活躍するレンズは変わります。仕事で撮ると言ってもいろんなシーンでの撮影がありますので、他のカメラマンさんの場合はまた違ってくるでしょう。
他のカメラマンがどんなレンズをどんな用途で使っているのか?そういう意識で他の方の写真を見てみると、いろんなヒントが見え隠れしてくると思いますよ。